犯罪・刑事事件の解決事例

認知症を理由に、婚姻無効確認と公正証書遺言の無効確認訴訟を提起し、和解した事例

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寺井 渉 弁護士が解決
所属事務所弁護士法人心 松阪法律事務所
所在地三重県 松阪市

この事例の依頼主

40代 女性

相談前の状況

ご相談者から「晩年は重度の認知症だったはずの父が、亡くなる1年前に相手方との婚姻届を提出していた。その後、父が相手方にすべての財産を相続させるとの内容の公正証書遺言が作成された。」とのご相談をいただきました。ご相談者は、被相続人が判断能力を失っていたことを理由として、婚姻の無効と公正証書遺言の無効を主張したいとの希望を持っていらっしゃいました。

解決への流れ

ご相談者から、被相続人が重度の認知症であったと聞いたため、被相続人が判断能力を失っていたことを証明するため、医療記録や介護記録を集めました。その結果、被相続人が、晩年、日時や場所が分からない状態であり、認知症が相当程度進行していたことが判明しました。そこで、まずは、婚姻無効確認訴訟しました。訴訟の結果、医療記録や介護記録の具体的な記載内容に基づいて、被相続人が認知症により判断能力を失った状態にあり、婚姻は無効であるという判決を得ることができました。その後、婚姻届の提出後に作成された公正証書遺言の無効確認訴訟を提起しました。裁判所は、公正証書遺言が無効であることを前提とする和解案を提示し、和解案の内容どおりの和解を行うことができました。

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寺井 渉 弁護士からのコメント

本事例は公正証書遺言が残されていました。公正証書遺言とは公証役場にて、公証人が立ち会った上で作成された遺言を指します。そのため、この遺言が無効であるという立証は簡単ではないと考えられました。そこで、まずは主張が通りやすいと思われた婚姻の無効確認について裁判を行い、判決をとることに集中しました。裁判では、医療記録や介護記録に基づいて、被相続人の生前の状態を具体的に明らかにすることを意識しました。認知症を理由に婚姻が無効であるとの判決が得られれば、その後に被相続人の意思による公正証書遺言を作成することができないこと、つまり公正証書遺言の無効が認められやすいと考え、順序をつけて立証をいたしました。戦略は非常に重要であり、様々な選択肢の中から、有利な展開につながると考えられる戦略を考えることができれば、一見難しそうな事件でも解決に向かうことができると考えています。